元々農業生産法人で勤めていた55歳の父が2000年有機JAS法が成立した時に、わずかな農地を借りて
有機野菜を作りだし、この農園はスタートしました。その年齢でゼロから農園を立ち上げるというだけでも
ちょっとした変わり者、輪をかけて有機農業というのだから、無謀としか言いようがないような始まり
であり、勿論周りからのご協力もありましたが、それはそれは並々ならぬ苦労と失敗の連続でありました。
たまたま都会で自営業により、ごく小さな成功を掴みかけていた私は、それこそ金銭至上主義のような
世界にどっぷりとはまり怠惰な毎日を送っておりました。
体を動かそうと、休みの日には父の農業を手伝うようになりましたが、畑に出てもこっそりとミニトマト等の
野菜をつまみ食いなどして、ろくろく農業に興味はありませんでした。
しかし普段、外食で食べていたミニトマトと、畑で採れたての有機ミニトマト。
改めて味わってみると、なんという味の違いでしょう。
父の口ぐせ 「ほんまもんの野菜」
畑で採れたての野菜が本物であるなら、普段自分は何を食べているんだ?
そこから「食」に関して様々な興味をもつようになり、いつしか父とともに専業農家への道で生きていく事を
決意したのであります。
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